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2015年3月7日土曜日

Before and After in New York City in 1960 - 2015 〜エンパイアーステートビル定点ポイントからの眺め〜

 永年住んでいても意外に行った事がない観光名所というものがあるものだ。東京タワーやエッフェル塔。大阪なら通天閣。最近だと東京スカイツリーや阿倍野ハルカスもまだ行ってない。こうした「高いところ」は意外に行ってない。べつに高いところは嫌いではないのだが..... ここニューヨークのエンパイアステートビルもその一つ。何時でも行ける、そのうち行こうと思っている間に引っ越してしまい、旅行で来てやっと行ってきましたなんて。そんな所だ。ちなみに今は無きワールドトレードセンタービルには登った。

 55年前、当時ワシントンにいた父母が旅行で訪れたニューヨーク。エンパイアステートビルに登り撮影した写真が前から気になっていた。あの時のアングルでニューヨークを見てみたい。現在のニューヨークを見てみたい。どのように変わったのか比較してみたい。ニューヨークに住んでいた時は一度も行かなかったが、今回の訪問で遂に実現した。

 55年前の父のカメラはCarl ZeissのContaflex Tessar 45mm. 当時流行りのレンズシャッター式一眼レフカメラだ。日本へも持ち帰り、子供の頃よく撮ってもらったものだ。シャッターがバッシャッと落ちると,ファインダーが真っ暗になる。ギロチンでバッサリやられたような感触だ。クロームメッキも美しい金属度120%の時代を感じさせるカメラだが,写真を見ても分かるように,素晴らしい解像度だ。テッサーのキレだ!現代のデジイチと遜色無い。フィルムはコダックのエクタクロームのリバーサル。こちらも素晴らしい発色!なにしろアナログメカニカルカメラ、銀塩フィルム時代のトップブランド同士の組み合わせなのだ。

 現在を写したカメラは最新のSONY α7II+Zeiss Vario Sonnar 24-75mm。ミラーレスフルサイズセンサの軽量デジタル一眼レフだ。こちらもさすが,キレのある写りと発色。時の流れとともに摩天楼都市ニューヨークの景色は変わっていたし、写真を取り巻くテクノロジーも変わったが、そこに写し出されたその時点でのリアリティーは、時空を越えて驚く程変わらない。写真とは「真」realityを「写す」モノであるという。そのサステーナビリティー。


(1)アップタウン方向

1960年


2015年
北方向を見るとGEビル,Central ParkとGeorge Washington Bridgeが見える。今は高層ビルが建ち並びどちらもよく見えなくなってしまった。こうして見ると昔から摩天楼の街ニューヨークと言われながらもミッドタウンの変貌ぶりがよくわかる。


(2)ダウンタウン方向

1960年










2015年
一見あまり変わらない様に見えるが、2003年9月11日、悲劇的な形でWTC Twin Towerビルが崩壊して、いまその跡地にFreedom Towerが完成した。55年の間にこうした景観の激変があった訳だが。。。自由の女神が右上に微かに見える。現在の写真の下部にはFlatiron Bldgが見える。中間のVillage辺りは今も変わらず古い街並を残している。



(3)ハドソン川方向

1960年

2015年
Hudson川はなんとか見える。George Washington Bridgeは一部がビルに遮られてしまった。55年前に比べてミッドタウンは高層ビルが増えた。アップタウンPark Westの高級住宅街はなんとか街並景観を維持しているようだ。


(4)イーストリバー方向

1960年

2015年
East Riverサイド。国連ビルは見えているが、当時の高級アパートTudor City は今もあるが高層コンドミニアム群に囲まれて見えなくなっている。三本煙突の火力発電所Con Edison Power Stationは取り壊されてしまった。我がアパートHorizonはそのすぐ隣だ。Midtown Tunnel の出入り口が見える。対岸のQueensにも高層ビルが増えた。


(5)グランドセントラル駅


1960年

2015年


Grand Central Terminal. 黒くて煤けた外装は奇麗になった。隣のホテル(Hyatt)は建替えられたんだ。Chrysler BLDGの昔のまま。今年はグラセン開業100周年。東京駅赤煉瓦ビルも100周年。両駅は姉妹駅だそうだ。グラセンではJapan Weekのイベントが開催されていた。














































5年前に書いたブログ:

「時空トラベラー」 The Time Traveler's Photo Essay : 50年前のニューヨークへ時空旅 ーNew York City 50 years time diffe...: 我が思い出のニューヨーク。我が社の米州事業拠点にして海外事業スタートアップの地。家族とともに7年ほどを過ごした町。苦闘と栄光の町。この町を今から50年程前に父と母が訪ねていた。 父が亡くなり、遺品を整理していたら、その中からアメリカ時代の大量のスライド写真が出て来た。幾つか...